無農薬で自給自足

 今年から、無農薬農業にジャンルに、米つくりを加えます。 冬季湛水にて自然豊かな田んぼにして、ほたるの居る田んぼを創ります。   誰でもが簡単に無農薬の田んぼつくりができるよう田んぼを用意し、定期的に実習教室を計画して、自給自足の米つくりを支援します。  武石川の源流のきれいな水で米つくりをしましょう。  宮 下   和 美 

金曜日, 10月 31, 2014

種子の発芽の成長の仕組み


これまで、光合成から葉の成長、種子の保存まで学びましたので、今度は米の種子から発芽成長までの過程をたどります。

種子を水につけて、累積温度約100℃日(30℃の水に浸けて3日)すると、発芽をしてきます。
乾燥保存されていた種子の胚芽は、水によって膨らみ、ただちに活動を始めます。
胚乳のβデンプンは水を含んでαデンプンとなって、消化酵素の働きによって糖化して、ブドウ糖になるのです。
そして、ブドウ糖は転移酵素に取り込まれて、官能基を転移されてセルロース体の生物=芽となるのです。
この時、転移酵素のエネルギーとして酸素が必要です。

稲の種子は水中で発芽すると、根は水がふんだんにあるので発達せずに、胚乳の栄養だけで2.5葉まで育つことができます。
水環境を絶たれた苗箱の育苗では、芽より先に根が出て根から水を確保して、2.5葉を超えて成長します。
発芽後は、毎日水をくれて発育を促します。
胚乳がブドウ糖を供給するので、光合成の式の右の成分の内、C6H12O6+6H2Oが満足しますが、当初6O2は種子からは供給されないので、バランスを欠くことになります。

実務では、苗箱1枚当たり、窒素1gの肥料を用意します。液肥であったり腐植であったりします。
この苗箱の窒素と、式の6O2の酸素との関係は、どのように等価にすればよいのかを悩みました。

私は、こんな仮説を立てました。
水に溶ける空気の窒素と酸素の比は?窒素は活性が低いので、酸素の半分しか溶けないので、水中の窒素酸素の比は、1.98:1だと、読んだことがあります。
それによれば、窒素を強制的に溶かせば、その半分の酸素は空中から水に溶ける。つまり酸素を供給しないでも、窒素肥料を溶かせば、酸素は自然に溶け、水に溶けた酸素があれば、酵素活性に使えるようになる。風が吹けばの理論で、「窒素を溶かせば酸素が増える」「酸素が増えると酵素が活性化する」「酵素が活性化すれば成長が早まる」との説が、実用的だと思っています。

このことは、窒素肥料の正当化にも当てはまります。稲に窒素肥料(=亜硝酸又はアンモニア)をくれると、葉はたちどころに青くなります。
どういうことか?赤のヒカリは全部吸収したが、青の光は全部使わなくても良くなったことを意味していて、緑と青の半分が反射している状態で、青緑の葉に見えるのです。

酸素の供給を増やすと、転移酵素の働きが活性化されて、成長が促進される。のだと考えています。


このことは、日本酒の醸造に於いても、似たような経緯をたどります。
似ているといえば、日本酒の仕込みの最初に、亜硝酸を加え、沸かせるのだそうです。
窒素を加えて、酸素濃度を高め、発酵を促しているのだと思います。

そんなことから、植物の成長に関する窒素の役目が見えてきました。
私は、酵素の活性を高める工夫をすれば、農業でも醸造でも、化学薬品を使わないでできると信じています。

因みに、米作りでは化学物質を田んぼから根絶することで、無農薬栽培が実現しました。
また、宮下米のお酒は、亜硝酸を投入しなくてもはじめからガンガン湧いてきたそうです。ですから、二日酔いがしない酒ができるのです。