GABA γアミノ酪酸 ガンマー・アミノ・ブタン・アシッド gamma-aminobutyric acid 神経伝達物質だそうです。
精神を安定させる物質で、これを摂ると睡眠が深くなり、結果的に翌朝の頭脳が明晰になるので、頭が良くなるお薬として喜ばれており、玄米が発芽状態になると成分が増えると言われていますので、発芽玄米の効能の筆頭です。
玄米炊き用の釜では、「発芽モード」「GABAモード」の表示になっています。
イネの種子が発芽すると、なんとも言えないにおいがしてきます。この薫りというか臭いは、「ネズミが種子を食べないように。」毒性を持っていて、彼れらはそれを避けるように。との説もあります。
ワタシは、この臭いは、タンパク質が発酵して、アミノ酸を生成した時の薫りだと感じています。
酵素は球状タンパク質で、発芽モードになるのは、水中にある種子が9℃以上の酵素活性帯に上昇した時、加水分解酵素が活動を始めます。
加水分解酵素は、デンプンをブドウ糖に変え、ブドウ糖を転移酵素の働きでセルロースすなわち芽として発芽をさせるために最初に作用します。
加水分解酵素は、タンパク質に作用してアミノ酸に変えますので、酵素がアミノ酸を生成した証の薫りがすなわち、γアミノ酪酸のにおいなので、発芽に酵素が重要な役目をになっている証拠になります。
ネズミが嫌う理由は、大型哺乳類の臭いですので、この臭がするところに近づくと「食べられてしまう」恐れが有るので、遺伝的にこの臭いを嫌うものが生き残った為でしょう。
一方、この薫りはヒトの生殖器においてアミノ酸を生成した時の薫りなのです。ヒトの子孫を残す一番大事な行いを嫌うすべはないので、ヒトにとってはこの薫りは、最初は興奮剤でやがて精神安定に役立つのでしょう。効能の是非はさておき、脳に宜しい作用をと言うのは頷けます。
そのような訳で、GABA臭は、みそ醸造でのアミノ酸発酵の証、酒造ではもとの薫り、良い意味での「くされもと」の発酵過程の薫りになります。先日訪ねた美吉野酒造のみずもとの「そやし水」(dancyu誌花巴)でも確認することができました。
このようにして、研究所の実験室でなくても、農家の庭先や納屋でも、科学を体験することができるのが、栽培工学ですので、興味があるかたはお出かけ頂きたいと思います。
少しお判りと思いますが、醸造関係の方々にも「頭の体操」の役に立つと思います。
ワタシ的には、味噌の味を高めるため、二日酔いのしない酒を作る為には、コメのしくみを知ることは、とても重要だと思っています。
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