無農薬で自給自足

 今年から、無農薬農業にジャンルに、米つくりを加えます。 冬季湛水にて自然豊かな田んぼにして、ほたるの居る田んぼを創ります。   誰でもが簡単に無農薬の田んぼつくりができるよう田んぼを用意し、定期的に実習教室を計画して、自給自足の米つくりを支援します。  武石川の源流のきれいな水で米つくりをしましょう。  宮 下   和 美 

金曜日, 8月 16, 2019

沈黙の農村

日本人は本質の部分で、大きな間違いを起こしています。
 現在が安全で平和だと、勘違いしていることです。
 レイチェル・カーソンが「沈黙の春」を書いたのは、1964年のこと、その訳本が日本で発売されたのが2001年のこと、私の手元に届いたのはその2版です。
 私の田舎では、まだ、小鳥がささやいていたのは、今から10年ほど前のこと、ブルーベリーの栽培をするに、小鳥が実どころか花を食べてしまうので、鳥よけネットを畑いっぱいに張るのが、大変な作業でした。
 ところがここ数年、だんだん小鳥が居なくなって、ついに今年はネットを全く使用せずとも、小鳥がやって来ることはありませんでした。
 
 1昨年からのことです。ネオニコチノイドの空中散布を、農協が推奨して、8月から9月のイネが稔る頃、見計らって一斉に防除をします。
 まず、虫が居なくなりました。その死骸を小鳥が食べて、小鳥が死に、その死骸を食べてカラスが少なくなりました。
 カラスは、秋になると柿の実をついばんで、標高の低い地域から順番に、平らげて登ってくるのですが、昨年は地域全ての柿が赤いまま残って、木になったまま朽ちました。
 ついに、農村にはカラスさえ居なくなったしまったのです。
 農産物の全てにおいて、除草剤が振りまかれた環境で育ち、殺虫剤が投与されて収穫を迎えるのです。
 アメリカで55年前に予測されたことが、いままさに、日本の農村で起こっているのです。


では、その犯人は誰か?
 モンサントでも遺伝子組み換え社でもありません。
 みなさまの隣で微笑んでいる、真面目な農家のみなさまなのです。
 田んぼの代を掻いた後に、必ず除草剤を撒きます。撒かないと草にやられて、全く収穫ができない状態になります。
 田植え前の苗箱に、私には何なのか知りませんが、白い粉をたっぷり蒔くのが作法のようです。
 そして、収穫前には前出の殺虫剤の、ネオニコチノイドを散布します。
 殆どの農家がそれを行いますので、田んぼには、おたまじゃくしも、カエルもイモリも生きることができないのです。
 自然栽培田は、蜘蛛の巣だらけになりますが、隣の田んぼにはクモも巣をかけておらず、下の土も上のイネもきれいなものです。
 田舎では、キャベツやブロッコリーを栽培していますが、苗を植えた後に、除草剤を散布していますね。
 大丈夫なのでしょうか?いいえ、農家も消費者も等しく、半分の方はガンで死ぬ運命にある事を、政府が言いましたね。
 何故そうなっちゃったのか?
 消費者が、見てくれの綺麗な野菜を求めた結果、農協が市場に忖度して、農薬消毒を多用し化学物質漬けの農業に、切り替えたからです。
 そう、顧客ニーズに、忠実だったのです。
 時々、隣家が農薬散布をする時、風向きに拠って我が家では、母か私の具合が悪くなります。
 散布の空気が漂ってくるだけでも、疾患の恐れがあるのが農薬ですが、それをしない農家は、地域の目の敵になるのです。
 みなさまが毎日、口にしている野菜やお米は、そのようにして育まれた賜物なのです。
 一体、みなさまは、そんな農村を望んだのでしょうか?