糀などの活性率を比較できるバロメータ「酵素力価」なる言葉を学びました。
通常の糀とお米で甘酒を作る場合、約60℃で6時間というのが私たちの知るところでした。
糀の倍のお米などを炊いておかゆを造り、糀を混ぜて造ります。
酒米や杜氏などが上手に行えば、5時間位で甘酒になるのでしょうか。
当家の宮下米による宮下糀の合作では、3時間足らずで完成します。
このことを酵素力価に換算します。
単純に反比例の数値で表すと、酒米を100としますと、通常米は83という数値で表せることになります。
この違いはなにか?
酒米を精白して純度を高めたことにより、米粒の周辺部にあるタンパク質や脂質などを取り除くことで、純度の高いデンプンが得られ酵素力価が高まるのです。コレを精白歩合と言い、50%くらいまで精米すると大吟醸になります。
デンプン以外の成分が、17%も在ったのでしょうか?少し疑問が残ります。
この式を、宮下米に当てはめると、166という数値が得られます。
純度100%デンプンの酵素力価を100と推定してみますと、100を超えることはないので、170位を100と置き換えてみますと、
宮下米 97
酒米 58
市販米 48
という値になります。
この違いは何なのでしょうか?
白米の中のタンパク質は酵素そのものですので、タンパク質を含む場合は酵素力価は高めになるように作用するはず、脂質は重量比を減ずる程度の影響力しかないので、無視できます。
この値の意味するものは、酒米や市販米には、「酵素を阻害する要因が存在している」事になります。
酵素力を半減させる量の「酵素阻害剤」すなわち「酵素を阻害する化学物質」が存在していることをデータは示しています。
酵素阻害剤を謳っている化学物質で、慣行農法で使われているものの代表的なものが「除草剤と殺虫剤」です。
逆説的に、「除草剤」と「殺虫剤」の影響は、「種をして酵素力価を半減できる力がある量、残留している」事になるのです。
農薬は残留していないのではなく、検出できない量が残留しているのが正しい評価でしょう。
検査にて存在を証明できない量であっても、酵素力価で評価すると、このようになります。
どうでしょうか?
この違いが「まいみその」の味噌汁、「二日酔いのしない酒」「頭の痛くならない酒」「のどごしスッキリの酒」になって、現れるのです。