酵素玄米食を最初に考えたのは、長岡勝弥先生です。
残念なことに普及を目指したと同時にお亡くなりになり、その弟子の方が遺志を継いで、開発当時のままに普及をされています。詳細は「酵素玄米 太陽の家」で検索してみましょう。
http://www.n-kousogenmai.co.jp/index.html
昭和の臭いのする器具と方法によって、手間ひまかけて炊いて保温すると素晴らしい食感を楽しめます。
残念ながら、その方法で炊ける方と出来ない方に分かれ、実現することが困難な方のほうが多いと思います。
書くワタシも後者であると考え、一緒に太陽の家のセミナーに参加した安江さんは、一式買って今でも美味しく炊けた酵素玄米を食べていて、おねだりすれば持ってきてくれます。
ワタシの家では出来ないことを悟り、どういう理論で栄養になっているか?模索して実現したのが宮下農園流、亜長岡式酵素玄米食です。
正直、それまで7年ほど玄米食を続けていましたが、もうこの釜は手放せません。ハッキリ言って、ただの玄米食はまずい、酵素玄米食が良いです。
なでしこ健康生活釜
http://www.hatsugagenmai.co.jp/
この釜は、韓国製ながら長岡式をなぞっていて、国内では一番価格パフォーマンスが高いと思います。
釜を買う時は「発芽玄米釜」「酵素玄米釜」などと入れて検索して、カスタマーレビューを読んで、お決めになったほうが良いでしょう。
さて、何故発芽玄米なのか?
イネの発芽理論では、発芽に至るには約100度日の積算温度が必要です。
100度日とは、発芽適温は27℃なのですが、27℃の水に4日浸種しますと芽が出てきます。
つまり、1日目27℃+2日目27℃+3日目27℃を加えると、27+27+27=81度日という風に積算していき、あと19度の4日目の夜に100度日に達すると、胚芽から白い芽が覗いてきます。この状態をハト胸と呼び、翌日から芽が青くなって葉となっていきます。これが稲作の現場での「発芽」です。
酵素玄米や発芽玄米食で謂うところの「発芽」とは、浸種すると温度にもよりますが、数時間で胚芽が水を吸って大きくなります。
イネの種もみの中で唯一生きている組織なのは胚芽部分で、これが水を吸うことで大きくなって、生命活動すなわち酵素が活性化を始めます。
デンプンは炭水化物すなわち、CHOでできていますが、酵素は球状タンパク質で、組成内にアミノ酸NH2が含まれていて、酵素の活性化とは、タンパク質が水を含んで加水分解してアミノ酸に代わり活動を始めるのです。
アミノ酸になった証として、臭いが出てきます。このニオイのもとがガンマー・アミノ・酪酸です。
横文字でγ-アミノ・ブタッティック・エイド、頭文字をとってGABA 通称ギャバです。
ギャバが爆発的に増えるタイミングは、20℃くらいで2時間ほど、つまりその変化が起きた頃、胚芽が膨らんできたのを「発芽モード」と呼んでいるのでしょう。
栄養学的には、芽が出る必要はなくギャバが増えればOKなので、「発芽」と呼ぶことも差し支えないと思います。
さて、GABA臭とは?農家がイネモミを浸種している部屋に行くと、ものすごい臭いがします。獣の匂いです。それをねずみが嫌い食べないのも頷けます。
鶏と卵の話ですが、哺乳類の起源になるのですが、穀類を食べて酵素を身体に取り込んで、その生殖時の匂いがGABA臭になるのは当然、ネズミになれば、その匂いのあるところに行けば食べられちゃう。で、逃げていく。それを「ネズミが嫌う匂いを出してる。」語る人がいるけど、どっちが先だろうか?
同じことは、哺乳類であるヒトにも言える。GABA臭が生殖の匂いであるので、それは脳に良い影響をあたえるのだそうな。深い睡眠が得られて、翌朝頭脳明晰になるのだそうな。
ヒトは、生殖環境が心地よいのは、子孫を残す課題を果たさねばならぬ命題を戴いており、それにヒトが向かうのは大自然の摂理にかなっています。
余談はさておき、何故発芽玄米食が良いか?
酵素玄米も発芽玄米も同じこと、GABAモードも発芽モードも、おなじ段階なので、酵素玄米ということにしますので、それぞれを読み替えて理解してください。
発芽時には玄米は多少柔らかくなります。玄米は硬いのでそれを炊いて食べる利点がひとつ。
玄米の利点は、外側の果皮、皮の部分には沢山のミネラルが含まれている。
もう一つ、急速な発芽時の胚乳(でんぷん)を消化させて、ブドウ糖を作って発芽させていく為に、果皮の内側、胚乳の外側に2層の糊粉層、すなわち酵素がたっぷり準備されています。
それを糠と呼び、白米では摺って洗って研いで捨てて食べるので、身体に入ってから白米を消化せるために、自分の体が持っている消化酵素を使うようになり、酵素が活性化するためにはミネラルも必要なので、それも自前の身体のものを使うようになります。
結果として、白米を食べると酵素とミネラルが欠乏するようになり、それらの欠乏は若い細胞をつくリにくくなって、お年を召すとシワやシミになって表現されます。
酵素の活動は、9℃から始まって、18℃は日本酒の醸造、27℃は発芽の適温、36℃は糀やヒトの体温、45℃は納豆の適温、54℃は野菜の酵素を復活させる温度、というように9度刻みで活性帯があり、逆にいいうと、それ以外の温度には雑菌が住んでいるのです。
生きた酵素は63℃を超えると失活してしまいますが、乾燥が先ですとカプセル化して休眠するようになり、穀物やお茶や麦芽のモルツのように、保存が効いたり100度を超える高温でも保存が効くようになります。
一旦カプセル化した酵素体を復活させる場合には、今度は100℃のお湯で沸かすようにするのです。丁度少し前に習った100度日に該当するような気がしますね。
上の温度から復活した酵素は、逆に73℃で活性化を保つようになる、不思議な現象になります。それに気づいたのが、前出の長岡勝弥先生です。
長岡式酵素玄米では、その理論に倣って圧力釜で炊き、73℃で保温して数日を経て食べるようになります。
玄米を炊く時に、酵素を活性化せるために海製塩と小豆や黒大豆を混ぜて炊きますと、アントシアニン(ポリフェノール)の働きで、玄米がより柔らかくなります。
それぞれ、そのようにして玄米食が楽しめます。
ただし、市販の玄米をいただきますと、果皮には土の成分を総て持ち込んでいますので、ミネラルを摂れる利点がある反面、殺虫剤や除草剤の酵素阻害剤をも取り込んでしまう恐ろしさがあり、場合によっては命にかかわる問題になりかねません。
ワタシは無農薬の米作りをしていますが、こんなに勉強しても収量はJA農家の2割位です。ですから市販の価格のお米では、玄米食をお薦めできません。
若くなる。元気になる。おなかが痩せて20代のからだになる。肌がツルツルになる。シワが無くなる。便秘にならない。痔が何処かに。頭も良くなる。等々沢山の利点がありますが、お気をつけたほうが良いでしょう。
釜を買って、少し高い自然米の玄米を求め、長岡式や亜長岡式の宮下式の酵素玄米食による、ユートピアをお勧めします。
欠点がひとつ、おならが出るのです。匂いはしません。もしかして姫なら馨しいかもしれません。
以上、酵素玄米食でした。